作品が偶然似てしまった場合は? ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー事件

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他人の作品を無断で複製するのは、複製権の侵害になります。

そのまま複製しなくても、元の作品の創作性が残っていれば複製権の侵害になります。

しかし、偶然似てしまうこともあるかもしれません。偶然似るのも侵害になると、創作のたびに調査しなくてはいけなくなります。

偶然似た場合も複製権の侵害になるのでしょうか。

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複製権の侵害は「依拠性」が要件

ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー事件という、とても有名な判例があります。

著作権法の勉強をしている人なら9割以上の人が知っているのではないでしょうか。

この事件は、鈴木道明氏による楽曲「ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー」が、米国の音楽出版社レミック・ミュージック・コーポレーションの著作物「夢破れし並木道(The Boulevard of Broken Dreams)」の複製権を侵害して作られたとして、米国出版社が作詞・作曲者および音楽会社を提訴した事件です。

最高裁の判決が昭和53年に出ています。

最高裁判決によると、「夢破れし並木道」は日本ではほとんど有名ではなく、鈴木道明氏がそれを知らないのもごく自然なことであり、知らない作品に関して複製行為が成立するはずもないので、著作権侵害の問題が発生する余地は無いとのことです。つまり無罪です。

もちろん、ほとんど同じではなく「夢破れし並木道」には無い旋律があるとか、被ってる旋律はごく定番のメロディであるというのも考慮されています。

この判決により、複製行為の要件として「依拠性」が求められることが明らかになりました。

したがって、偶然似てしまった場合、著作権侵害にはなりません。安心ですね。

とは言うものの、この事件は訴えた側がアメリカの出版社だったから知らなかったという主張が通ったのであり、例えば洋楽しか聞かない人が日本の超大物アーティストのある程度有名な曲とほぼ同じフレーズを含む曲を書いたら、どうなるか分かりません。「知らなかったで済むと思うな!」みたいなドラマ的展開になるかも。

まあ、アマチュアなら1フレーズ程度パクっても最悪ネットで批判の嵐を受けて活動休止に追い込まれる程度で、訴訟には至らないと思います。

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